ワタシの嫁は妊婦でした。
嫁は卵が育ちにくい体質のようで、クロミットという薬を服用しつつ、タイミングや人工授精をTryし続けてました。リセットがきてしまうたびに、落ち込み、それでもまた希望を持って活動を続ける。
この薬も厄介で卵の成長を促進する代わりに内膜が薄くなる作用があるようです。
そして、着床には十分な内膜の厚さというものがあるようです。薬を飲まないと卵が育たない、飲むとその先の着床の可能性を左右する内膜が薄くなる。
と、本当にあちらがたてばこちらが立たず状態。
まだ20代ではありますが、先の見えない長い旅はとてもきついものがありました。
絶好のタイミングを図っても、アドオンで人工授精をしても本当に望めば望むほどできない。当事者の夫になってわかりますが、治療にもよりますが、不妊治療って本当にお金がかかります。医療費控除の申請を年末におこなった時に驚きました。勿論、続けば続くほど、お金と気力と体力を奪っていきます。
旦那のワタシで精神的にキツイと思うので、嫁さんは本当にキツイ日々だったんだと思います。
そして知らなければいけないことたくさん。日本の性教育のリテラシーというのでしょうか。その低さを身をもって痛感しました。妊活の初めは仕組みをきちんと理解することから。恥ずかしならがら全然理解できていなかった。日本人は恥ずかしがる傾向もあると思いますしね。実際にワタシの小学校や中学校の頃はそうでした。
生理の仕組み、子供ができるまでを勉強すれば、もっと女性に対する理解だったり、
悲惨な事件だったり、自ら命を絶ってしまうことも少なくなるんじゃないだろうか。
将来子供ができて大人になる前には恥ずかしがらずきちんと伝え、命の大切さ、尊さを教え説いてあげるべきが親の務めでもあると、そんなことを考えました。
とにかく奇跡の連続なんです。
体外受精へ向かおうとした矢先
約1年。実際には卵の関係で半年程度の妊活期間でした。焦らなくとも。ということはあるのですが、色々話し合った結果、結果にこだわりお金をかけても体外受精に踏み切ることを決心。有名なクリニックを調べ、予約や準備、紹介状等も書いてもらってました。
その矢先、なんと自然妊娠となりました。ワタシも嫁もそりゃ喜びました。真っ白けっけだった妊娠検査薬にようやっと陽性反応が出たのです。疑って何回も確認してもらいました。そして、病院で心拍も確認。エコー写真で初めて我が子を見る日々が続きます。
ダメかもしれない。
少し周期の割に胎嚢が小さく、不妊治療のクリニックの先生も少し心配げに話をしたそうですが、とはいえ周期としても先に進むべきなので、ということで不妊治療のクリニックから産婦人科への紹介状を書いてもらい、母子手帳を受け取る。産婦人科初回の診察時に心拍が弱いことを告げられる。採血し様子見。
そして先日流産が確定。8.9週でした。早期の流産は運命は受精の時に決まっている。仕方のないこと。なんては思えません。
帰ってきた嫁は目を腫らしていました。おそらく帰り道や病院で散々泣いたんでしょう。その姿を見てワタシも結果をすぐに悟りました。
まともに泣いたのは10年ぶりくらいかもしれません。みんなが泣くような映画、ドラマ。一切泣かないワタシですが、今回は無理でした。妻を見た瞬間に涙が飛び出ました。
不安な中必死に色々調べ、まだ見ぬ我が子のことをドキドキしながら考え過ごし、必死に小さな命を守ろうとしてくれた嫁への感謝の気持ち。
それでも叶わなかった、確かに存在していた我が子の命。
結果が全て。どんな言葉も意味をなさない。かける言葉見つかりません。ワタシは一緒に泣いてやることしかできませんでした。
まだあの時の場面が鮮明に記憶に残ってます。
きっとこの時のことは、一生忘れることはないと思います。
将来もし我が子ができた時、実はお兄ちゃんかお姉ちゃんかわからないけど、いたんだよ。って伝えてやろうと思います。
少し落ち着いたら人工授精や今までの経緯なども書いていこうと思います。
妊活をされているすべてのご夫婦へ幸あれ。
共に頑張りましょう。
おわり。